宮古島のダイビングで出会える魚や生物
ダイビングにはさまざまな楽しみ方があります。宮古島周辺のダイビングであれば、まずは「地形」を楽しむダイビング。宮古島の有名ダイビングポイントの多くは、洞窟状やアーチ状にかたどられた自然の造形美で知られています。このような地形ポイントは、多くのダイバーたちを魅了してやみません。
また、小魚やウミウシなど、海の中の生物を中心に楽しむ「マクロ」好きなダイバーも宮古島に訪れます。有名地形ポイントにもさまざまな小魚や生物が住み、時には大型の肉食魚やウミガメなどが回遊することもあります。今回は宮古島周辺のダイビングスポットで会える魚や生物についてご紹介します。
エビ・カニなどの甲殻類
エビやカニなどの甲殻類は、洞窟状のダイビングポイントでひじょうによく見かける生き物たちです。ホワイトの体が美しい「クメジマオトヒメエビ」や、オレンジ色が鮮やかなヤドカリ「ディーダゼブラヤドカリ」などを、さまざまな洞窟ポイントで見ることができます。
甲殻類が好むスポットは、水深30メートル程度と、やや深めの場所が多いようです。「宮古島三大地形ポイント」のひとつ「魔王の宮殿」は、たくさんのエビやカニの仲間に会うことのできるスポットです。洞窟の壁面をよく観察しながら進むと、良い写真が撮れるかもしれませんよ。
魚たち
カエルウオの仲間
モンツキカエルウオなどのカエルウオの仲間は、宮古島周辺の浅場では、どこでも見かける住人です。カエルのような愛らしい顔とキュートな模様で人気です。
ハゼの仲間
ハゼの仲間も主に浅場のダイビングポイントで出会うことができます。中でもゼブラハゼはフォトジェニックなハゼ。ゼブラという名前からも分かるとおり、ボディーに入った「しましま」、アゴの「トゲ」、そして美しい「ヒレ」が魅力的です。
ハタンポ
ハタンポは、キンメモドキなどとも呼ばれる底生魚ですが、昼間は岩礁や洞窟内でスクールしていることが多く、ダイビングで遭遇すると圧巻です。下地島周辺の「ツインケーブ」では、このハタンポが群泳する姿をみることができます。
ニシキテグリ
「ニシキテグリ」は、珊瑚の隙間をすみかにするネズッポの仲間です。サイケデリックな模様が特徴で、その派手な模様と愛らしい表情から、ダイバーに人気の魚です。
キンギョハナダイ・アカネハナゴイ
キンギョハナダイはキュートな小魚で群泳している姿をよく見かけます。アカネハナゴイは、自宅でも飼育のしやすい熱帯魚ですが、宮古島の海にもたくさん泳いでいます。伊良部島エリアにある「ハナダイの根」では、360度、見渡す限りのアカネハナゴイの群れが、ダイバーたちを迎えてくれます。
スズメダイの仲間
スズメダイの仲間たちも、宮古島の海の住人です。「コビトスズメダイ」「ヒレナガスズメダイ」「アツクチスズメダイ」など、多くのスズメダイが岩礁帯や珊瑚まわりで群泳しています。
マツカサウオ
それほど数が多いわけではありませんが、下地島周辺の洞窟ポイントで出会うことの多い魚です。マツカサの名前は、その体が松の実のように特徴的で、しかも鱗が硬いことから名付けられました。アゴに発光器がついていて暗闇で光ります。
カクレクマノミ
かわいさ抜群!イソギンチャクの住人・ニモです。宮古島周辺には「たくさん」と言えるほどはいませんが、浅場の珊瑚まわりを探してみると出会えるかもしれません。
ギンガメアジ
ギンガメアジは、インド洋や太平洋の熱帯地域に広く分布していますが、一部は黒潮にのって、遠く東京湾までやってくることでも知られています。そのギンガメアジが群れている場所が下地島の北にある「パナタ」。多くの回遊魚が訪れるこのポイントは、潮の流れがきつく上級者向けです。
エンマゴチ(ワニゴチ)
「エンマゴチ」は、コチの仲間で、珊瑚礁の混じる砂地に好んで住みます。ワニのような顔が特徴的で「ワニゴチ」と呼ばれることもあります。ヒラメのように砂地に潜り、カモフラージュしながら獲物を狙っています。
大物
ホワイトチップリーフシャーク(ネムリブカ)
ホワイトチップリーフシャークは、珊瑚の周辺を好んですみかにするメジロザメの仲間。最大で体長1.5メートル程度まで成長します。日中は暗い洞窟内にいることが多く、宮古島周辺の洞窟ポイントで見かけることの多い「大物」です。下地島周辺の「35ホール」は、このホワイトチップリーフシャークに遭遇することの多いダイビングポイントです。
ロウニンア
ロウニンアジは、宮古島ではガーラ、釣り人の間では世界的にGT(Giant Trevally)の名前で知られる、アジ科の大型肉食魚です。下地島周辺の「本ドロップ」は、ロウニンアジが回遊してくるダイビングスポットとして知られています。また、伊良部島エリアの「L字アーチ」にもよく出現します。ロウニンアジが堂々と泳ぐその勇姿は、ダイバー必見です。
マンタ(オニイトマキエイ)
巨大なエイ・マンタは、熱帯の海に幅広く分布していて、宮古島周辺にも現れることがあります。ダイビングの世界では、世界的にも人気がある魚でしょう。平均的な個体で横幅3~5メートル。大きな個体は9メートルに達するほどの巨大さです。ロウニンアジが集まることで知られる「本ドロップ」は、冬場にマンタが回遊してくることもあるようです。
バラクーダ(オニカマス)
魚食性の大型魚で熱帯の海に幅広く棲息しています。宮古島周辺でも八重干潮のアウトリーフなどで、大型バラクーダの群れが回遊してくることがあります。
イソマグロ
イソマグロは大型の肉食魚で、宮古島周辺では、リーフの外側や一部の地形ポイントで、その回遊を見ることができます。伊良部島周辺の「L字アーチ」、下地島周辺の「パナタ」などが知られています。
ウミガメ
宮古島周辺で会うことのできるウミガメは「タイマイ」と「アオウミガメ」の2種類です。「アカウミガメ」も棲息しているのですが、数が少なく、もしも出会えたならひじょうにラッキーと言えるでしょう。
タイマイ
「タイマイ」は「べっ甲」の材料として乱獲された過去があり、現在も「アオウミガメ」と比べると、その数はだいぶ少ないようです。国際自然保護連合」からは「絶滅寸前」の種に分類されています。しかし、日本近海での数は、最近は安定傾向。宮古島周辺では、出現率で「アオウミガメ」に劣るものの、ダイビングポイントによってはかなりの高確率で会えるようです。出現率の高さでは、下地島周辺の「魔女の部屋」が知られています。あまり警戒心が強くないのでダイバーの人気者です。
アオウミガメ
「アオウミガメ」は、宮古島周辺の海で、一番よく見かけるウミガメの仲間です。世界的にもかなり幅広く分布しているようですが、全体的に見ると、その数は減少傾向となっており、国際自然保護連合からは「絶滅危惧種」に指定されています。
ウミウシの仲間
宮古島周辺には、色鮮やかでキュートなウミウシの仲間が住んでいます。ウミウシの仲間は、比較的浅い水深から20~30メートル程度まで、幅広く分布しています。
コンペイトウウミウシ
見た目がコンペイトウに似ているのでこの名前がつけられました。イエローやオレンジの「コンペイトウ型ぷにぷに生物」です。
ユキヤマウミウシ
「ユキヤマウミウシ」は、ショートケーキのクリームやチョコ、そしてトッピングのような外見の、スイートなウミウシです。たしかに雪山に見えなくもありません。
宮古島のダイビングでたくさんの魚たちに出会う
宮古島周辺には、まだまだたくさんの魚たちが住んでいます。「地形ダイビング」で知られる宮古島ですが、複雑な地形を好む魚や生物はたくさんいます。極小生物から巨大マンタまで、出会えるかどうかは運次第ですが、きっと心に残る生き物たちがあなたを迎えてくれることでしょう。